今年も暑い夏がやってきました。観測史上最も熱くなった昨年に匹敵する暑さとなる見通しで、人間にとっても車にとってもシビアなコンディションとなることは間違いないでしょう。そんな時に気を付けたいのがタイヤトラブルです。今回はタイヤのバーストについてまとめました。

タイヤのバーストとは

　タイヤが走行中に発熱し、破裂することをいいます。バーストとパンク（スローパンクチャー）は混同されることが多いですが別物です。

タイヤバーストとパンクの違い

	バースト	パンク
現象	タイヤが破裂すること	タイヤから空気が少しずつ抜けること
走行の可否	不可能	可能な場合もある
発生に気づくタイミング	すぐ気づく	時間が経過してから気づく
原因	・空気圧の過不足 ・外部からの衝撃 ・タイヤの劣化 ・過積載 ・冬タイヤで夏場の高速走行	・釘などの異物が刺さる ・空気圧の減少 ・タイヤゴムの劣化 ・ホイールリムの変形
修理の可否	不可能	可能な場合もある

タイヤがバーストする原因

空気圧の過不足

　空気圧が低下したまま走行すると、タイヤの接地面が広くなり、高速回転することでスタンディングウェーブ現象※が起こります。この現象が起きると、タイヤが加熱されてバーストする危険性があります。一方、空気圧が高いとタイヤの柔軟性が失われ、外部からの衝撃に弱くなるため同じく危険です。

※タイヤがたゆんで波状（ウェーブ状）に変形する現象

外部からの衝撃

　走行中にタイヤを縁石にぶつけるなど、外部からの衝撃にも注意が必要です。すぐにはバーストしなくても、タイヤ内部が破損することにより空気圧を維持することができなくなり、バーストする可能性があります。

タイヤの劣化

　タイヤのゴムは、使用していなくとも経年劣化します。紫外線や熱により劣化が早まり、ゴムが硬化することで、タイヤの側面にひび割れが発生しやすくなります。

過積載

　決められた最大積載量を超過した状態で走行すると、タイヤに熱が溜まって、タイヤ内部で形状を保持するためのコードと呼ばれる補強材が破損し、バーストすることがあります。

冬タイヤで夏場の高速走行

　冬タイヤは夏タイヤに比べて、柔らかいゴムでできています。そのため、路面温度の高い夏場に冬タイヤで走行すると、タイヤが変形しやすくなります。

バーストする前兆

　走行中に車体が振動する、ハンドルが重く感じた場合、前述のスタンディングウェーブ現象の可能性があります。また、走行中のゴムの焼ける臭いによって気づける可能性があります。

タイヤがバーストしたときの対処法

　バーストしてしまったら、まずは落ち着いてハンドル操作を行い、路肩にゆっくり停車しましょう。焦ってハンドルを切ったり、急ブレーキを踏むと、後続車を巻き込む事故につながるため大変危険です。車を安全に停車させたら、三角表示板を設置します。スペアタイヤを搭載している車であれば、スペアタイヤに交換します。パンク修理キットは、バーストしたタイヤに使用できませんので、ロードサービスなどに連絡し、安全な場所で待機しましょう。

タイヤのバーストを予防するには

　空気圧を定期的にチェックし、こまめに空気を補充しましょう。また、タイヤのひび割れや傷、劣化を防ぐことも重要です。車にカバーをかけたり、日差しを避けた保管環境を作ることで、紫外線や雨などによる自然劣化を防ぐことができます。

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　タイヤのバーストは日常的なメンテナンスで防ぐことができます。また、日々業務で使用する社用車については、日常点検が特に大切です。社用車のトラブルを未然に防ぐためにも、日常点検の実施を徹底しましょう。

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